作品研究

新英米文学会では、毎年、特定の作品を研究テーマとして決定し、半年間研究します。具体的には、4月~7月の月例会でその論文を解題し、夏の全国大会のシンポジウムで総括します。

2017年作品研究

Kazuo Ishiguro, Never Let Me Go

カズオ・イシグロは日本での人気も高く、さまざまな観点からの注目を集めてきましたが、その傾向はここ数年での新作The Buried Giant(2015 邦題『忘れられた巨人』)の発表や、作品の舞台化およびドラマ化によってさらに強まっています。そこで本会では彼の代表作の一つNever Let Me Go (2005 邦題『わたしを離さないで』)を取り上げ、三回にわたって「作品の基本構造とクローンの倫理」「語り」「新自由主義と福祉国家」というテーマに基づく論文を解題しながら、作品とその関連テーマへの理解を深めてゆきたいと思います。
「好きな作品の一つだ」「映画は見たけれど原作は読んだことがない」という作品や作家への関心から、「論文を読む機会にしたい」「この論文の解釈は納得いかない」というアカデミックな研究対象としてまで、懐の広いイシグロ作品の魅力を深く探る時間を共有できればと思っております。学会外からの参加も歓迎いたしますのでお気軽にご連絡ください。(コーディネーター 三村尚央、武富利亜)

連絡先:三村尚央(千葉工業大学)
tmimjp★yahoo.co.jp
お手数ですが、半角で打ち直して、★→アットでお願いします。

また、例会で扱う論文資料については研究企画委員会の曽良裕美子さんまでご連絡ください。

<下読み会>
3月11日(土)14:00-17:00

場所:早稲田大学奉仕園
http://www.hoshien.or.jp/map/

4月からの研究会に向けてテキストKazuo Ishiguro, Never Let Me Go (『わたしを離さないで』)の下読み会を行います。

<例会&大会シンポジウム>
●例会
4月15日(土):Never Let Me Goの基本的なテーマと受容史およびクローンの倫理
6月17日(土):語りの構造と「語られないこと」
7月15日(土):新自由主義、福祉国家、芸術の価値

場所:早稲田大学奉仕園

●シンポジウム
8月20日または27日(日)
例会は各月第3土曜日を予定。会場は早稲田奉仕園セミナーハウス
大会シンポジウムは8月第3週または第4週、全国大会に合わせて実施。会場は千葉工業大学(仮)

●例会詳細
<Text>
Ishiguro, Kazuo. Never Let Me Go. London: Faber, 2005.
を一応の定本としますが、すでにお手持ちのものや入手しやすいものでかまいません。

<月例会解題論文> ※研究企画委員会の曽良裕美子さんまでご連絡ください。
4月15日(土):Never Let Me Goの基本的なテーマと受容史、クローンの倫理
・Jerng, Mark. “Giving Form to Life: Cloning and Narrative Expectations of the Human.” Partial Answers. Vol 6, No. 2(2008): 369-393.
・Wojciech Drag. Revisiting Loss. Newcastle upon Tyne: Cambridge Scholar Publishing. 2014. よりNever Let Me Goを扱った第6章(164-183)

6月17日(土):語りの構造と「語られないこと」
・Currie, Mark. “Controlling Time: Never Let Me Go.” Kazuo Ishiguro Contemporary Critical Perspectives. Ed. Sean Matthews and Sebastian Groes, London: Continuum, 2009: 91-103
および
Suter, Rebecca. “Untold and Unlived Lives in Kazuo Ishiguro’s Never Let Me Go: A Response to Burkhard Niederhoff.” Connotations, Vol. 21.2-3 (2011/2012): 397-406.
・Snaza, Nathan. The Failure of Humanizing Education in Kazuo Ishiguro’s Never Let Me Go. Lit: Literature Interpretation Theory. Vol 26, No.3(2015): 215-234.

7月 新自由主義、福祉国家、芸術の価値
・Fluet, Lisa. “Immaterial Labors: Ishiguro, Class, and Affect.” Novel (summer 2007): 265-288.
・Robbins, Bruce. “Cruelty Is Bad: Banality and Proximity in Never Let Me Go.” Novel (summer 2007): 289-302.