世界的なパンデミックの中で、私たちは日常、既存の社会モデルのあり方を問い直す局面に迫られています。とりわけ感染症の世界的拡大により、医療を取り巻く環境、医療従事者をめぐるコミュニケーションのあり方、感染者の社会的な扱われ方を検証する重要性が強調されるようになっただけでなく、それらを文学がどのように捉え、表現してきたのかという観点も注目を集めるようになりました。こうした点を歴史的に展望することで、今およびこれからの時代をどのように生きるかの指針を得ることができるでしょう。
パンデミック以前から、医療と人文学の関係を考察する医療人文学の領域は発展を遂げており、文学研究者が医療の現場に対して何ができるのかという、いわば、応用人文学の観点も主要な課題とされてきています。さらに、ケアする者と、ケアされる者との間のコミュニケーションのあり方、あるいは、日常や社会において誰がケアを担ってきたのか、など、ケアをめぐる論点から文学史および人文学を捉え直す機運も高まっています。
本理論研究では、「医療、ケア、文学」と題し、医療人文学の動向を参照しながら、英米文学研究の新たな可能性を探ることを目指します。加えて、第1回では、医学史研究者である鈴木晃仁氏(東京大学死生学・応用倫理センター教授)に、第2回では、環境人文学研究の観点から森田系太郎氏にそれぞれ講演をお願いし、医療人文学における英米文学研究の可能性をさまざまな角度から検討していくことにします。
11月例会
日時:11月20日(土)14:00-18:00
第1回「医療人文学の動向と英米文学研究の可能性」
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12月例会
日時:12月18日(土)14:00-18:00
第2回「医療人文学と環境人文学」
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11、12月理論例会用のZoomミーティングID
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